仮面 ライダー パチンコ ストロンガー

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「改めて感謝を

貴方達のことを生涯忘れることはありません

今度訪れる際には人種など関係なく、互いを認め合う国にしてみせます

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ハーメルトのように……」「はい! 頑張って下さ――っ!?」 爽やかに挨拶が終わろうとした時、背筋がゾッとする気配を感じた

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「――へえ

ならボクにも感謝して欲しいな

なんたって天空城を落とした功労者なんだから……」 国民の歓声が外から聞こえる中、黒幕が姿を見せた

 憎ったらしいこのクソガキが

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「はぁい! 神出鬼没のクルシアちゃん、只今参上!!」 相変わらずの無邪気な仕草で目元ピースを決めたクルシアが現れた

「キラッ!」

瞬間、雪奈が姿勢を低くし、踏み込んだ柄部分で振り下ろされる鏡花の腕をわずかに打ち付けて軌道をそらし、横をすり抜けるように移動するさなか腹部に一撃、そして体を反転させて首筋に一撃対応、反撃、止め一瞬のうちに腕と腹と首に攻撃を受けた鏡花は鈍い痛みにバランスを崩しながら地面に転がり込む「ふぅ・・・なかなかいい動きだったけど、まだ躊躇いがあったね、最後ちょっと迷ったでしょ・・・結果、今ので鏡花ちゃんは一回死亡だ」全ての攻撃は柄部分で行われており、一滴たりとも血は流れていないだが腕に残るわずかなしびれと、腹部に残る鈍痛と、首筋にまるで添えるようにあてられた優しい一撃その気になれば雪奈は鏡花の腕を切断し、腹を割り、首を落とすことができただろう雪奈の実力を知っているからこそ、そしてその痛みを知っているからこそ、鏡花は震えた「わかったかな?未熟な攻撃は危険を及ぼす、そして完全な防御をもってすれば、反撃は容易なのだよ」「・・・静希に防御を教えてる意味が分かった気がします・・・」雪奈の手を借りながら立ち上がる鏡花は、まだ体が震えているその震えは、自分が殺されそうになったからというだけではない、先程自分が雪奈に振ったナイフ、もし万が一雪奈が本当に動かなければ、きっと鏡花のナイフはあの肩を切り裂いていただろう実際に自分が誰かを傷つけそうになった、そのことが鏡花に震えを発生させる原因になっていた「本当なら、あそこで私が斬られるのも方法としてはありだったんだけどね、さすがによそ様の家で流血沙汰はまずいっしょ」「ちょ・・・もしかしてぎりぎりまで動かなかったのってどっちにするか迷ってたんですか!?」鏡花の叫びにそうだよと雪奈はまるで悪気なくあっけらかんと笑っている後輩に技術を教えるためとはいえ、自分がわざと斬られようなどと正気の沙汰ではないなるほど、この姉貴分にしてあの弟ありだと、鏡花は割と本気で思った「まぁでも、結果的に防御の重要性と、それで攻撃する意味はしっかりと理解できたみたいだね」鏡花の体を未だ支配する震えを見て雪奈は少しだけ申し訳なさそうに、そして嬉しそうに微笑む恐らくは幼馴染トリオ以外にこういった指導をするのは初めてなのだろう、加減がわからなかった、というよりほかに指導法を知らないが故に少し怖がらせてしまったことを申し訳なく思っているようだっただが鏡花とてここで食い下がらないわけにはいかない、自分と雪奈だけがここにいるのなら弱音もはいただろう、方法を改めるようにも言っただろうだが自分は班員三人にしっかりとみられているまるで通過儀礼だとでもいうかのように、三人は鏡花に視線を向けているあの三人を前に、情けない姿は見せたくなかった自分のことを天才だと言い、仲間であるとしてくれる彼らに、格好悪いところは見せたくないのだ「それじゃ雪奈さん、さっさと防御を教えてくださいよ、今度はこっちが反撃して見せますから」顔を思い切りたたいて全身に活を入れ、足を地面に叩き付けることで、強制的に体の震えを止めさせる「驚いた・・・ふむふむ、さすがは静たちの班長だ、そうでなくちゃ」雪奈は本当に意外そうで、そして本当にうれしそうにナイフを構えて笑う「まずは私が手加減しながら攻撃するよ、オーバーアクションでもいいからまずはそれをよけること、当たりそうになったら寸止めでも柄打ちでもしてあげるから安心してね」よけることは防御ではないと思われがちだが、れっきとした防御手段でもある特にナイフなど武器自体の大きさが小さいものは防御可能な面積が限られている以上、回避したほうが安全な場合もあるのだそれに何より、素人にナイフを使って防御しろなどと言ってもできるはずがないまずはナイフの軌道や速度に目を慣れさせること、そしてその結果どう動けば的確な防御を行えるのかを試行錯誤させる教えるということはしない、自身で覚えるのだナイフの使い方、体の動かし方、正しい構え、呼吸手本は眼前に最適ともいえる存在がいるこれほど参考になる教科書はほかにない頭ではなく体で覚えるというところにおいては少し変わっているが、それでも得られるものは大きい「もし疲れたら言ってね、その時は静と同じことをやって手本を見てもらうから、真似しろとは言わないけど、参考にはなるでしょ」ちらりと縁側を見て静希に視線を送ると、俺を巻き込むなよと言っているかのように静希は嫌そうな顔をするただ見ているだけで済むかと思っていたのにとんだとばっちりである「じゃあ行くよ、死ぬ覚悟はいいかい?」「逆に殺し返して見せますよ、あんまり油断しないで下さいよ?」それは楽しみだと雪奈は本当にうれしそうに笑うここまで教えがいのある生徒は久しぶりなのだろう、ナイフで軽く遊んだあと、体をゆっくりと動かして鏡花に向けて切りかかった

鏡花と雪奈がナイフを使っての模擬戦闘を始めてから十五分ほどが経過したあたりで、鏡花の首筋にナイフが添えられ、三十七回目の死亡を記録した息をあらくついている鏡花は明らかに疲れているようだった激しい動きはしているものの、鏡花の体力から考えればここまで疲労しているのはおかしく感じるだが自分が持っているものと、自分に向けられているものがいったいなんであるかを正しく認識してしまっているが故に、通常の何倍もの疲労を強いられていた緊張と圧力からくる心的疲労、それが肉体にも影響を与えているのだ「そろそろ休憩しよっか、動きも鈍くなってきたし、汗もすごいよ?」「え・・・あ・・・そうですね・・・」自分がどれほど汗をかいているのかも認識できないほどに集中していた鏡花は荒く息をつきながら縁側に腰を下ろす「お疲れ様、本当にすごい汗だね」鏡花に水を渡しながら明利は鏡花の顔の汗を軽くタオルで拭っていくぬぐったところからさらに汗が噴き出るほどに鏡花の体は熱を帯びていた「ありがと明利・・・きっつぅ・・・!」貰った水を一気に飲み干しながら鏡花は大きく息をついて項垂れるそこまで運動は苦手ではないし、身体能力も女子の中ではそれなりにあるほうだ、今回行った回避だってそこまでオーバーに飛んだり跳ねたりしたわけではない、たまに地面に転がるようにして強引によける場面があったくらいであるなのにこの疲労感一撃一撃命を刈り取られるのではないかと思うほどの緊張感と、雪奈の放つ鋭い殺気と斬撃が鏡花の体力をどんどん削り取っているのだ鏡花がダウンしたのを見て雪奈は石動の指導に回っているようで、また何度か手本を見せてまずい癖を出させないように腕の振りなどを矯正しているようだったただ回避していただけなのにここまで疲れてしまう体たらく、何とも情けないものだと思いながら鏡花は曇天を仰ぐ「あんたらもこれやったのよね?私って才能あるほうだと思う?」「んん・・・少なくとも私や静希君よりはあると思うよ、私は最初であんなふうに動けなかったもん」「毎日続けていけばそれなりの実力にはなるんじゃないか?まだ回数こなしてないから何とも言えないけど」少なくとも静希と明利よりは上そういわれて悪い気はしないが、おそらく陽太よりは下なのだろう前衛の人間と比べる時点で間違っていると言われそうだが、鏡花は陽太に負けていると言われると微妙に気分が悪い「いやぁ、鏡花ちゃんはなかなかの腕前だね、こりゃ将来が楽しみだよ」指導を終えたのか、同じく休憩に入った石動と縁側にやってくる雪奈はわずかに汗をかいており、近くにあったコップに入っている水を一気に飲み干す動いていただけあって彼女も汗をかいている、この暑い中、水分補給は本当に大事である「雪奈さん、私ってこの中じゃどれくらいの強さですか?」「ナイフのこと?そうだな・・・三十分換算でよければ全員の初回死亡回数は覚えてるけど・・・」死亡回数、それは雪奈の攻撃をよけそこなった回数であり、その人が接近戦に向いていないということを示すある種の指針でもある「確か明ちゃんが二百八十二回、静が百二回、陽が二十四回だった気がするよ」「二百って・・・明利は接近戦はダメなのね・・・」三十分に二百八十以上殺されているということは一分に十回近く殺されているということでもある身体能力の高くない明利ではそれが限界なのだろうだが静希でも三十分に百回以上殺されている今回の鏡花の記録は十五分で三十七回、つまり三十分換算に直せば七十四回だ陽太に次いで良い成績ということになるのだが「やっぱり陽太がずば抜けてますね」「そりゃ前衛だからね、ナイフは徒手空拳と似てるからよけやすいし使いやすいっていうのもあるのかもね」二人の言葉に陽太は誇らしげに胸を張る確かにナイフは刃渡りが短く、構えは拳を構えるそれと遜色ない、突きを主体にすればほとんど拳の動きと酷似するだろうだがそれでも、ナイフひとつとはいえ能力を発動している雪奈の攻撃を三十分受け続けて二十半ば程度しか殺されないというのは恐ろしい記録だ能力も何も使わずに一分近く生き残っているということでもあるのだから陽太は体格も能力も身体能力も前衛向きだが、ここまで接近戦への適性があるとは思っていなかったために少し驚いた「ちなみに陽太ってどうやって回避するんですか?」「陽は回避はあんまりしないんだよね、どっちかっていうと振ってる腕を掴んだり止めたり、カウンター貰うこともあるから気が抜けないんだよ」雪奈の能力は刃物の性能とその数に比例して出力が高くなる今回のような訓練の時はナイフ一本でしか能力を発動していないために、得られる身体能力はたかが知れている、故に強化なしの陽太でも簡単に止めることはできるだがその速度ははっきり言って反応するのが精一杯で確実に目でとらえることなどできようもないそれをいとも容易く止めるというのだから、さすが前衛というほかない

「五十嵐たちも投擲の訓練はしたのか?なら手本を見せてほしいのだが」軽く汗をぬぐった石動が雪奈以外の手本を見ようとすると、静希と明利の視線が陽太に注がれるこの中で一番投擲がうまいのは陽太だそれゆえの視線だったのだが、陽太はそれに気づいてなお首をかしげる「ほう、響か・・・暇をしているなら手本を見せてくれるとありがたいぞ」「いいぜ、しっかり目に焼き付けな」陽太は石動からナイフを受け取って的のある方向へと歩いていく静希のナイフを仕込む際に協力しているだけあってその技術は雪奈に勝るとも劣らないむしろ能力を使っていない状態では雪奈よりも筋力があるために速く、強く投げることができるのだ「さて、鏡花ちゃんが休んでいる間に・・・静、ちょい相手しておくれよ」「・・・いいけど、ナイフの模擬戦なんて数か月やってないぞ?」最近はずっとオルビアを使っての剣術訓練しか行ってこなかったために、体に剣を使う癖が染みついているのだこんな状態でナイフの模擬戦をやったら間違いなく怪我をするだろう「それもそうだね・・・じゃあ鏡花ちゃん、一本剣を作ってよ、適当な西洋剣でいいから」構いませんけどといって鏡花は地面から形状変換と構造変換を用いて一本のシンプルな剣を作り上げる以前ある程度の剣の構造は理解していたため、それを応用すれば簡単に作成はできるだがその剣の性能までは保証できなかった「ふむふむ、いい感じだ」受け取った剣で二回三回と空を切り裂きながら自分の手になじませていく雪奈の怖いところはこういうところだどこで手に入れた武器だろうと、どんな形状のものであろうと、どんな使用法だろうと、刃が一定以上あれば完全に操れる「いいのかよ、そんな出来合いのもので」静希はトランプの中からオルビアを引き抜きながら両手で構える「いいんだよ、静にはちょうどいい手加減さ・・・昨日訓練できなかった分、ハードに行くよ?」「上等だ、今日こそ一撃入れてやる」静希は両手で、雪奈は片手で剣をそれぞれ持ち、何の合図もなく唐突に打ち合い始める金属音があたりに響く中、鏡花はその様子に唖然としていた初めて見る静希の訓練の様子、それは本当に訓練と言えるのかも怪しい二人は、いや静希は全力で雪奈に向けて剣を振っていた正確には襲い掛かる剣に向けて防御の意味で剣を叩き付けて止めたり、受け流したり、剣を打ち付けて軌道を逸らす工程を繰り返していた静希はバランスを崩しながらもすぐに体勢を整えて剣を構えなおす時に転がり、打ち合い、そして回避し、また金属音を奏であうしかも静希がよけているのは剣撃だけではない雪奈は時折蹴りや掌底などの打撃技も含めている剣先だけに集中していればずっと回避していることももしかしたらできるかもしれない、だがそこに加えて体術までも使用し始めては反応するのは難しいだが静希もだてに長く訓練をしていないようで、完全な回避はできずとも、芯を外したり腕で払ったりと試行錯誤しながら戦っているようだった何分ほど庭に金属音が断続的に続いただろうか、少し大振りに雪奈の剣が横に振りぬかれる瞬間、静希は体を沈めながら雪奈の剣を受け流し懐に潜り込むそして横から振りぬく形で雪奈の胴体に剣を走らせる当たった鏡花がそう確信した瞬間、雪奈が笑う「いい動きだね、でもまだ甘い」雪奈の体に刃が当たる瞬間、彼女の足がオルビアの柄を握っている静希の手を強く蹴り、その動きを止めながら静希の首筋に刃を当てる「十二分か・・・結構もつようになったね」「今のは決まったと思ってたんだけどな・・・」「うん、そうだね、剣だけの戦いなら当たってただろうさ、でも戦いは何も剣だけじゃないからね」嬉しそうに笑って雪奈は頬から伝う汗をぬぐう先程鏡花とやっていたよりも時間は短い、だが汗をかく量が圧倒的に多いそれだけ本気で集中していたということでもある何より鏡花が驚いていたのは静希の剣術である昔より上達したというのは何度も聞いていたが、まさかここまで上達しているものとは思わなかった反撃は不発に終わったものの、雪奈が大振りになった隙を見逃さずに攻勢に転じて見せたのだ静希の観察眼と剣術は確かに向上している毎日鍛錬することがここまですごいことだとは思っていなかったために鏡花はただ感心するほかない「ねえねえ、なんで静希はずっと両手で剣を構えてるわけ?」「なんでって・・・剣がオルビアだからだよ」鏡花の質問に当り前であるかのように答える静希そしてその回答に鏡花も理解するオルビアには重さがないのだ雪奈の持つ剣のように、剣自体に重さがあれば、その剣の重さと自分の筋力を合わせた一撃を放つことができるが、静希は自分の筋力のみで攻撃しなくてはならないもちろん時と場合によっては片手持ちにすることもあるだろうが、基本静希はオルビアを両手で持って少しでも威力を上げようとしている「便利かと思ったけど、結構不便ね・・・ほかの剣は使わないのよね?」「もちろん、俺の剣はこいつだけだ」静希の言葉に、ほんのわずかにオルビアが光り輝く嬉しがっているのだろうか、人間の姿を現さなくても感情がわかるとは何とも素直なものだと鏡花はもう一度感心した

結局その後も静希と訓練を続け、一時間ほど経過してからまた鏡花の訓練に戻ることになった何度も何度も殺されることで少しずつ体の動かし方と雪奈の振るうナイフの速度に慣れてきたのか、回避もなかなか上手になっているのだが、そこはやはり中衛の身体能力、五十回近く殺されてしまうことになるそれでも十分上手だよと雪奈は褒めてくれたが、一回も反撃できない上に、雪奈に打撃を使わせることもできなかったのだ今まで大体のことはそつなくこなしてきた鏡花にとって、なかなかに困難な内容の訓練だったそうこうしている間に日は暮れ、雲がかかりながらもわずかに色を変える空と落ち始めた気温にわずかな涼を感じながら、静希達は家の中に戻ることになった「あら、もう運動はいいの?」「あはは・・・お騒がせしました」許可をとっていたとはいえ少々騒ぎすぎたかもしれないと反省しながら静希達は汗だくになった体をタオルで拭っていくまだ夕飯時には少し早いのに部屋には食べ物のいいにおいが充満していた「まだご飯ができるには時間がかかるから、今のうちにお風呂に入ったら?そんな汗まみれじゃ気持ち悪いでしょう?」「でも、いいんですか?」招かれている身としては一番風呂を家主より先にいただくというのは少し抵抗があるそれでもかまわないわよという山崎の笑みと回答に、静希達は急いで入浴の準備を進めていた「今回も男子が後か?」「どっちでもいいよ?私たち女子高生の汗の染み出た湯船につかるでもよし、自分たちの汗の染み出たお湯で私たちを汚すでもよし、お好きなほうを選ぶとよい」「・・・その言い方何とかならんのか・・・?」雪奈の少しゲスな発言に呆れつつ、またも男子は後で女子が先に入浴することになるさすがに二日連続で長湯するということはなかったようで、男女合わせて一時間程度で入浴を終えていた静希と陽太が入浴を終えた後、全員のいる居間に戻ると食卓には数多くの食事が用意されていた先日のそれとは豪華さが違うことが一目でわかる、一つ一つ手間のかかった逸品であることが料理をよく行う静希には理解できた「最後の夕食ですからね、少し奮発しちゃった、たくさん食べてね」山崎のご厚意をいただくべく、静希達は手を合わせて号令とともに一気に料理に食らいついていく「五十嵐君、一つ聞いてもいいかしら?」「ん・・・はい、何ですか?」優しい味が口の中に広がる中、口のものを飲み込んで山崎のほうを見る彼女は何か考えているようだったが、読心術など持ち合わせていない静希には何を考えているのかなど全く分からなかった「夫の霊のことなのだけれど、今日対処するのよね?」「・・・はい、今夜に出たときに俺が対応します、実際に能力を使ってみないことにはどうなるかはわかりませんが」静希の能力と事と次第によっては本当に静希の手に余ることになってしまうその場合はメフィや邪薙に登場してもらうしかもはや静希にできることはない「できるなら、それに立ち会わせてもらいたいのだけれど・・・だめかしら」「それは・・・」静希はわずかに表情を曇らせ、城島に視線を送るその視線に気づきながらも城島はあえて何も反応しなかった普段ならば首を振るなり目くばせするなりの反応を示すはずなのだがそろそろ自分で考えろということか、さすがに静希も悪魔を引き連れて長い、どの対応をするべきかは自分で理解しているつもりだ「出現までは一緒にいてくれて構いません、ですが対応する時は退室していてもらいます、危険な上に、俺の能力にもかかわってきますから」この家の主であり、幽霊の妻であるとしても、悪魔の姿を見せる訳にはいかないし、何より自分の夫が消されるような場面は見たくないだろう「五十嵐、まさか何の顛末も見せずに終わらせるつもりではないだろうな?」石動の訝しげな声音に静希はため息をついて首を横に振る「さすがにそれはな・・・来てもらっても問題ない状況になったら全員部屋に入ってもらうさ・・・出てもらうのは万が一の場合に備えてだ」万が一悪魔の力の行使を前提とした退室だが、おおむね正しい判断だろう何せ静希自身どうなるかわからないのだ、もしかしたら幽霊が自然と成仏するかもしれないし、逆に活性化するかもしれないそう考えると自分の能力が及ぼす作用について完全に把握できていないのが本当に痛いところだそもそも最善の状態にするなどと言っても、道具など特定の使用法があるものならまだしも幽霊など入れたことがないそもそも見たのさえ昨夜が初めてだったというのにそのようなことがわかるはずもない「でも霊が出るのは深夜一時過ぎですよ?平気ですか?」「大丈夫ですよ、その為にお昼寝しましたから」朗らかに笑う山崎に、たぶんこの人ダメだって言っても見に来るつもりだっただろうなと確信しながら静希は味噌汁を口の中に流し込む

『シズキ、私はまだ納得していないわよ?』日中、鏡花たちの訓練を見ながらもメフィの説得は続けていたが、未だ悪魔は首を縦に振らなかったあの美しい魂を消すようなことはしたくないと言い続けるのだ『でもな、このまま放っておいたら意思が歪んで悪霊になるかもしれないんだぞ?それってお前の言う美しくない色になっちまうんじゃないのか?』『むしろ私としてはどこまで汚れずにいられるのかを眺めていたいんだけどね・・・第一ね、意志の残骸程度じゃそこまで被害でないわよ』確かに今この世界に存在しているのは本人ではなく、本人の残した意志の片鱗だその場で何をするかはわからないが、能力者の霊と言えどそこまでたいそうなことができるとは思えない霊が人間などから影響を受けるように、その逆もあり得るかもしれないがそこまで甚大な被害、死者などは出ないだろうとメフィは予想しているようだった予想される被害から考えれば悪魔が出るような事態ではないのは確かだだがそれ以前に静希はひとつ気になることがあった『なぁメフィ、何でまた今回はそんなに頑ななんだ?』今までメフィと口喧嘩とまではいかなくとも意見が食い違うことは何度かあっただがどれもその時の気分だったり、日によって考えが変わることなんてしょっちゅうだったのだ気まぐれで気分屋、メフィの性格はそれだけで表せるが、どうにも今回は気分だけで言っているだけではない気がする『・・・確かにシズキ達人間からしたらわからないかもしれないわね、前も言ったけど、あの霊の魂、すごく綺麗だったの』『・・・まさかそれだけが理由か?』綺麗なものを見ていたいとメフィは言ったそれだけが理由なのであれば容認しがたかったが、メフィはまさかと簡単にそれを否定する『人間の魂の色ってね、すっごくいろんな色があるの、濁った色や、混ざった色、澄んだ色もあるし、煤けた色もある、それは年月を重ねるごとに複雑になっていくの、経験と、記憶と、感情が魂に色をくわえていく・・・』経験とともに色を重ねていく油絵などの技法にもある、色を重ねて塗ることによって厚みと深みを作り出すというものだ平面に描かれた物のはずなのに、そこには奥行にも似た新しい次元が生まれることがある人間の魂もまた然り時を経て、経験を、記憶を、感情を重ねていくうちにその魂の色は深みを増していく『私はあんな色は見たことがない、そしてあれほどの色を残したあの霊が何を望んでいるのか、何のためにあれほどの意思の残骸を残したのか・・・私はそれが知りたいの、だからあの霊は消したくない』それは好奇心というより、知識欲が刺激されているといったほうが正しいかもしれない何百年以上もこの世界に存在し、未だ自らの知らぬ何かがあるテレビなどを眺めているときよりも、ずっと嬉しそうな、楽しそうな声を出してメフィは静希にはっきりとそう告げた『だからねこれはお願い、あの霊を消さないで、そしてあの霊が何をしたいのか、それを探し出してあげて』『・・・お前から食い物以外でお願いをされる日が来るとはな・・・』静希とメフィの間に命令といった一方的な言葉は存在しない両者が使うのはあくまで『お願い』だ自身が何か対価を与える代わりに、願いをかなえてもらう対等契約故に互いが互いを尊重し合う、まさか悪魔のほうからお願いを持ちかけられるとは思っていなかっただけに、静希はわずかに眉をひそめていたこうなってしまうと、メフィに頼んで霊を消してもらうというのは本格的に難しいだろうそれどころか静希の力で何とかしなくてはならなくなったかもしれない自分の能力などたかが知れているというのに、なんと無茶を言う悪魔なのだろうか『邪薙、お前としてはどうなんだ?あの霊・・・何が目的だと思う?』『・・・何とも言えんが、あの場から動かなかったということはあの部屋に何かがあるのだろう・・・それとシズキ、一つ確認しておきたいことがある』『なんだ?』邪薙の問いかけに静希は口の中にあったものを飲み込みながら脳内での会話を続けるそろそろ夕食も終わろうという中、静希は黙々と食事を続けている時折目を閉じて会話に集中しているところを班員は何度か見ているために、静希が人外たちと会話中であることを察知していた『あの霊をオルビアに拘束させて収納するつもりか?』『一応そのつもりだ、逃げられないようにするにはオルビアに捕まえててもらうのが一番だろ』オルビアは霊装とはいえ、静希の能力のおかげですべてのものに触れることができる状態となっている可視状態の意思の残骸と言えど問題なく触れることができるはずだ『その場合、トランプに意識を集中すると、何かわかるかもしれんぞ?』『何かって・・・何?』何か、などと抽象的なことを言われてもどう反応していいか困ってしまう特に今回は幽霊のことに関しては邪薙に頼りっぱなしなのだ、もう少しわかりやすくいってほしいものである『そこまではわからん、だが霊とは人の意思の残骸そのものだ、それをお前が収納し、認識しようとすれば、その霊のことが何かわかるかもしれん』『・・・あー・・・なるほど、その考えはなかったな・・・』静希は自分のトランプの中にあるものを知覚できる物質などしっかりと形あるものであれば認識はたやすいのだが、光など総量やその実態がとらえにくいと知覚も難しくなるだが今回の相手は幽霊最初からどのようなものかがわかっており、何より姿形を見ることができた静希の認識能力から、問題なく知覚できるだろう問題は何が知覚できるかという話だ『それなら確かにあの霊が何を求めているのかを理解できるかもな・・・なるほど、光明が見えてきたぞ』『うむ・・・だがこの方法は効果的であると同時に危険でもあるのだ』危険そうつぶやく静希の守り神たる邪薙はわずかに声を曇らせる彼自身この行為はあまり行ってほしくないようだった『危険って・・・トランプの中に入れちゃえば問題ないんじゃないのか?』『いやむしろ逆だ、霊は人間の意思の残骸そのもの・・・お前はそれを覗こうというのだぞ?霊の意思に飲み込まれるようなことはないだろうが、何らかの影響があるかもしれんのだ』見るということは、同時に見られるということでもある今静希のトランプの中にいる人外たちは皆一様に確固たる意志と、考えのある存在だだが霊は残した未練をただ求め続けるそこに考えるなどと言う行動は存在せず、ただそれをなそうとし続けるだけそれこそ、狂ったように未練を追う、それが霊なのだ仮に霊を知覚できたとして、その霊の本質を覗くことができたとして、それに含まれた狂った何かに静希が耐えられるのか、邪薙の危惧しているのはそこだった守るための存在でありながら、その守る対象を危険に晒そうとしている守り神失格だなと自嘲気味に笑いながら邪薙はとにかく注意しろと静希に警戒を呼びかける静希がそうすると決めた以上、その行動を止めることはだれにもできないそれがわかっているからこそ、それ以上人外たちは何も言うことはなくトランプの中に意識を沈めていった人外たちの会話が終わり、静希は水を飲んでから大きくため息をつき、どうしたものかなと頭を掻き毟る「どう?何とかなりそう?」静希が会話を終えたのを察したのか、鏡花が小声でその成果を確認しようとするこの洞察力はさすがだなと感心しながら視線を天井に向ける「どうだろうな、今回ばかりは出たとこ勝負になりそうだ」「あんたにしては珍しいわね・・・勝率は?」「五分五分・・・いや四六か・・・最悪三七だな」そうとだけ呟いで鏡花は最後に残っていたおかずを口の中に放り込んで手を合わせるどちらが自分の勝てる確率であるかは聞かずにいたのは、それを察知していたからだろうかどちらにせよ、この判断能力の高さは見習いたいものである全員でごちそうさまの号令を終えた後、静希達は茶を飲みながら小休憩をとっていた深夜まで、時間はまだある何かできることがあるのであればいいのだが、生憎とできるのは精神統一くらいのものである今まで確実に勝てるように策を弄することはあれど、ほぼ何もできないというのは静希にとって非常に珍しい時間だった一同は女子の部屋になっている和室に集まってその時間が来るまで思い思いに時間を潰している静希と陽太は携帯ゲームで遊び、明利、鏡花、雪奈、石動の四人は談笑しながらトランプに興じている城島はテーブルをその場に持ってきて書類を書いており、山崎は部屋の隅で読書していたそして時間が進み、深夜が近づくにつれて明利の顔色が悪くなっていくどうやらあの時のことを思い出したのだろう「ねえ明ちゃん、やっぱ寝てたほうがいいんじゃない?」「平気です・・・今回は気絶なんて失態は・・・み、見せませんから」少しだけ強気な発言をしてみせるのだがその手はわずかに震えを見せている強がりなのが見え見え過ぎて不憫に思えてくるほどだそんなに怖いのなら男子部屋に避難していればいいのにいやむしろ一人でいるほうが明利的には怖いのだろう、だからこそ全員が集まっているこの部屋にいたいのだそれが幽霊が出ると確定している場所であろうと「時に五十嵐、本当に出るのか?見ていない私としてはまだ半信半疑なのだが」「出るのは保証する、もっとも今日出るかまでは保証できないけどな」まだ一度見ただけのために、幽霊の出現条件までは把握し切れていないもう少し時間と事前状況がわかるだけの資料があれば何とかなったのだろうが、こうなってしまってはもはやどうしようもないあとは幽霊が出るのを待つばかりである累計PV4,000,000突破記念で複数まとめて投稿一日一回でこのペースは果たして早いのか遅いのかどちらにせよ、これほど多く読んでいただけれ感謝感激の極みですこれからも至らぬ点は多々あるかと思いますが、お楽しみいただけるように誠心誠意努力していく次第ですこの作品を読んでお楽しみいただければ幸いです